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「なぜ借りられるのに買うの?」注目のシェアサービス “モノの図書館”

生活用具やレジャー用品をシェアする「モノの図書館 (library of things )」をご存知ですか?

日本ではまだ普及していませんが、ドイツやイギリス、カナダやアメリカなど、欧米諸国で広まっているシェアリングエコノミーサービスです。

目次

モノの図書館とは?

「モノの図書館」 では、図書館で本を借りるように、さまざまな道具(モノ)を借りることができます。

たとえば、友達とホームパーティを開いて、映画を上映したいときって、ありますよね。こんなとき、スクリーンとプロジェクターがあればとっても盛り上がること間違いなし!

ですが、スクリーンやプロジェクターは、年中使うわけではありません。そのような、たまにしか使わない道具を購入して所有するのはもったいないですよね。それなら、使いたいときだけ借りる形をとれば、ムダな買い物も減り、環境にも優しく楽しく生活できるはずです。

モノの図書館は、そのようなコンセプトで運営されています。

また、モノの図書館は、単に道具を貸し出しする場ではなく、近隣住民の交流拠点としての役割も果たしています。ボランティアによるDIYや裁縫、料理などのワークショップが開催されたり、交流パーティが企画されたり……

「シェア」をキーワードに人が集まり、人々が同じ時間を共有する場にもなっているのです。

モノの図書館で扱われるアイテムは?

モノの図書館で貸し出されるアイテムは多岐にわたります。

DIYのための工具やスコップなどのガーデニング用品、テントやバックパックなどのアウトドアギア、ミシンやトンカチなどの生活用品や料理道具、カメラやパソコンなどの電子機器、おもちゃや楽器やボードゲーム、スポーツ用品まで、様々なアイテムがシェアされています。

※扱われる道具は、モノの図書館によって異なります

モノの図書館はどうやって運営されているの?

モノの図書館には、大きく2種類の運営形態があります。

1つは、公営のもので、いわゆる本を貸し借りする「図書館」に併設される形態です。

運営母体は図書館が担っていることがほとんどです。図書館に行けば、本だけでなく日用品なども借りられるわけですから、とても便利ですね。アメリカで多くみられます。

もう1つは、NPOなどが独自に施設を運営する形態です。

市民や企業、自治体から運営資金の寄付や貸し出すアイテムの寄贈を受け、ボランティアスタッフの力を借りながら運営しています。

例えばアウトドアブランドのパタゴニアや、DIY用品小売業ヨーロッパ最大手のB&Qなどが活動に賛同し、商品を寄贈しています。

モノの図書館の利用料金は?

モノの図書館は、図書館併設型の場合は、近隣住民や図書館の会員向け公共サービスとして、無料提供されることが多いです。

独自運営型の場合は、有料の会員制サービスとして運営されることがほとんどです。たとえば、カナダのトロントにあるモノの図書館「sharing depot」では、年会費を払い会員になった上で道具を借りることができます。借りる道具によっては、一日あたりの料金を払うこともあります。

また、モノの図書館によっては、季節に応じて一日あたりの料金を変動させているところもあります。たとえばアウトドア用品は夏にニーズが高まるため、夏は料金を高く設定し、需要を調整するなどの工夫を行っています。

モノの図書館の価値とは?

モノの図書館は、これまでの大量生産・大量消費モデルを脱却し、より少ない生産で豊かさを維持することを目指しています。地球温暖化や気候変動、資源の枯渇が進む現代において、資源の消費量を減らすことにつながる「モノの共有」は、より一層重要な意味を持つことでしょう。

また、モノの貸し借りを行うリアルな場所があることは、単に資源やお金を節約する以上の価値があります。それは、コミュニティの創出です。

シェア文化を熟成させるコミュニティ

モノの図書館では、会費を払ったからといってお客様気分で何でもしていいわけではありません。

不特定多数の人で道具をシェアする上で、道具を大事に扱ったり、貸し借りの約束を守ったりと、コミュニティに属する上で必要なふるまいが求められます。助け合い協力しあって暮らしていくような意識が醸成されるのです。

実際、モノの図書館は、有償のスタッフだけではなく、多くの無償ボランティアの協力により運営されています。DIYイベントを企画したり、交流パーティを開催したり、店の運営に協力したりと、ボランティアがまさに自発的に活動しているのです。

自分たちでコミュニティを作り上げている実感があること、これこそがモノの図書館の価値であり可能性だといえます。

おわりに

日本では、都会だけでなく田舎でも、コミュニティ内での人つながりや、助け合いの希薄化が問題となっています。

2019年5月の時点でモノの図書館は日本にはありません。地域住民の自発的な助け合い文化を育むモノの図書館は、日本においてもきっとその価値を発揮することでしょう。

「Why buy when you can borrow(なぜ借りられるのに買うの)?」というメッセージとともに、世界各地で運営されている「モノの図書館」。

本は知識を共有させてくれますが、モノは私たちに何を共有させてくれるのでしょう。体験?感動?

考えるだけでわくわくしますね。

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