Talk to the City(TttC)とは、膨大な意見やアンケート結果の回答をまとめて、AI(人工知能)を使って分析・レポート化することができるオープンソースのアプリケーションです。
LLM(大規模言語モデル)を活用して、自由記述欄に書かれた内容も分析できることが最大の特長です。
アメリカのNPO法人 AI・Objectives・Institute がGitHub(エンジニアが情報共有するためのプラットフォーム)上で公開しているシステムで、無料でダウンロードして利用できます。
台湾の元デジタル担当大臣オードリー・タン氏も、インターネット上の熟議プラットフォーム「vTaiwan」でこのTalk to the Cityを活用し、意見集約のコストを大幅に抑えました。
Talk to the Cityのシステムはscatter
とturbo
という2つの種類があります。
Talk to the Cityのscatterを使って2024年の衆院選での市民の意見が可視化されました。
【衆院選】ネットの声をAIで「見える化」 “ブロードリスニング”でみる選挙への声(日本テレビ)
もう一つの表示方法が、意見をまとめて横棒グラフ化したものです。
ビデオや自由記述欄に書かれた意見もAIが分類してグラフになっています。この作業を人間が行うと膨大な時間がかかる上、分類の際に作業者による主観が入るリスクもあります。
各棒グラフをクリックすると細かい内容へリンクされ、最終的に各意見を読むことができます。
Talk to the Cityは無料でダウンロードできますが、「パソコンにインストールすればデスクトップ上ですぐに使える」というようなものではありません。
GitHubからソースコードをダウンロードし、自身で用意したサーバー上に置いた上で必要な環境設定をすることで使用の準備ができます。まだ動作が不安定だったり、日本語対応していなかったりするため、動かすためには調整も必要です。
収集した意見などのデータは、CSV形式のファイルにして読み込ませるのですが、CSVファイルの取り込み、分析開始、分析結果表示などの指示もコマンドラインで行います。ドラッグ&ドロップで取り込んで、分析開始ボタンを押す!といった感じではありません。
つまり、Talk to the Cityを使うにはITの知識が必要になります。
具体的には、以下のプログラミング言語や技術の知識が必要です。
以下は実際にSHARE infoのエンジニアがtalk-to-the-cityを試してみた時の記事です。この記事の内容が理解できる程度のITスキルが必要となるという目安にもなるので、参考にご覧ください。
それぞれ概ねいくらくらいかかるのかについては、検証して別記事にまとめたいと思っています。
Talk to the Cityを動かすにはエンジニアが必要で維持費用もかかりますが、そもそも人間が行うのが不可能なくらいの大量の意見も、短時間で要約してレポートを出すことができるようになるのです。ゼロからスクラッチ開発で意見集約ツールを構築することを思えば格段に低コストです。
ブロードリスニング(大量の意見を収集して要約し、政策に活かすデジタル民主主義の手法)に欠かせないツールだと言えます。
AIエンジニア安野たかひろ氏の掲げる「デジタル民主主義2030プロジェクト」では、このTalk to the Cityを改善してより使いやすくする取り込みが挙げられています。現状のTalk to the Cityは、まだ “誰でも簡単に使える夢のようなツール” とは言えませんが、安野氏のプロジェクトによって夢のツールが実現するかもしれません!
AIを使って民意が可視化できるようになれば本当に素晴らしいことです。ただその前提として「たくさんの意見を集める」という作業が必要です。意見の収集方法としてはGoogleフォーム、SNS、電話や対面でのヒアリング、書面でのアンケートなどいろいろありますが、独自のフォーラムやアンケートサイトを開設する方法もあります。
投稿型サイト簡単作成サービスSHARE infoは、投稿型サイトを短い納期で開設し、運用することができます。そして管理画面の「エクスポート」ボタンから投稿内容をCSVファイルで出力することも可能です。
SHARE info でどんな意見収集サイトが作れるのかについては、SHARE infoのnoteのマガジン「SHARE infoでつくってみた」で近日中に公開予定ですので、こちらのフォローもしていただけるととても嬉しいです。
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