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LLM対策に重要な「ナレッジグラフ(Knowledge Graph)」とは?

ナレッジグラフ(Knowledge Graph)とは、実世界の「モノ」(エンティティ)とその「関係性」を構造化して表現したデータベースのことです。Google が 2012 年に自社検索に取り入れたことから広く知られるようになりましたが、近年では LLM(大規模言語モデル)対策としても重要視されています。以下、ポイントを押さえて解説します。


1. ナレッジグラフの構造イメージ

  • ノード(頂点):人、場所、モノ、概念などの「エンティティ」を表す
  • エッジ(辺):エンティティ同士の関係性(“出身地”“発売日”“作者”など)を表す
  • プロパティ:ノードやエッジそれぞれに付与できる属性(“名前”“説明文”“URL”など)
[太宰治] ──著者──▶ [人間失格]
   │                    │
   └─生年──▶ [1909年]    └─出版日──▶ [1948年]

2. なぜナレッジグラフが重要か

  1. 検索エンジンの理解向上
    検索クエリとコンテンツ内のエンティティを直接結びつけ、より精度の高い回答提示が可能になる
  2. LLM(AIチャットボット)対策
    構造化されたエンティティ情報は、チャットボットの知識ベースとして利用されやすい
  3. リッチリザルトの獲得
    検索結果で「ナレッジパネル」や「リッチカード」として目立つ表示を得やすい

3. 実装方法の概要

3-1. Schema.org+JSON-LD マークアップ

最も一般的なのが、HTML 内に JSON-LD 形式で埋め込む方法。たとえば企業のナレッジグラフ情報を出す例:

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Organization",
  "name": "株式会社〇〇",
  "url": "https://example.com",
  "logo": "https://example.com/logo.png",
  "sameAs": [
    "https://www.facebook.com/example",
    "https://twitter.com/example"
  ],
  "foundingDate": "2010-04-01",
  "founders": [
    {
      "@type": "Person",
      "name": "山田太郎"
    }
  ]
}
</script>

3-2. ナレッジパネルへの反映

  • Google Search Console でサイト所有権を確認
  • 「組織」「人物」「商品」など該当する Schema.org タイプで豊富に情報を提供
  • Wikipedia/Wikidata に情報を登録 or 編集すると、Google のナレッジパネルにも取り込まれやすい

4. LLM対策としての活用ポイント

  1. エンティティを明確化:記事内で登場する固有名詞に @id や @type を付与
  2. FAQ や HowTo と組み合わせ:構造化データで Q&A を渡せば、チャットボットへの“質問→回答”変換がスムーズ
  3. 内部リンクと併用:ナレッジグラフで紐付けたエンティティ同士を記事内でリンクし、モデルに関連性を強調

まとめ

ナレッジグラフは、エンティティとその関係性を構造化することで、検索エンジンも LLM も「何が何とどうつながっているか」を理解しやすくする仕組みです。Schema.org/JSON-LD を使って自社サイトに実装し、Google のナレッジパネル獲得や AI チャットボットからの流入拡大を狙いましょう。

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