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NLWebとは:WebとAIの関係改善を目指す技術

NLWeb

2025年5月、Microsoftは開発者向けイベント「Build 2025」において、新たなオープンソースプロジェクト「NLWeb(Natural Language Web)」を発表しました。この技術は、従来のウェブサイトを自然言語で対話可能なAIアプリケーションへと変革することを目指しています。

背景:「AIが答えてくれるからサイトに行かない」問題

最近は、ChatGPTやGoogle GeminiのようなAIが、「〇〇の営業時間は?」「この商品の口コミは?」といった質問にその場で答えてくれるようになっています。そのため、ユーザーが実際のWebサイトを訪れなくなるケースが増えてきました。

これは便利な反面、サイト運営者側にとっては「アクセスが減る」「広告収入が減る」「サービスへの問い合わせが減る」などの問題になります。

NLWebの目的のひとつ:「AIの答えの元としてサイトにアクセスさせる」

NLWebは、こうした問題に対して次のような解決策を目指しています:

  • AIが答える情報の出どころをWebサイト側に明示的に結びつける
    • たとえば、「この情報は〇〇サイトのこのページから来ています」とAIが回答中に示すように設計されている
  • ユーザーがAIとの会話から、そのままサイトの該当ページへ移動できる
    • NLWebは「会話の途中で公式ページに誘導できる仕組み(リンク挿入やリダイレクト)」を備えている
  • サイト内の情報を、対話形式で“入り口にする”
    • NLWebはWebサイト自身を「対話できる入口」に変えるので、ユーザーはまずそのサイトにアクセスし、そこでAIとやり取りするようになる

ウェブとAIの“共存”を実現する仕組み

NLWebは、AIとWebサイトが対立するのではなく、お互いにメリットのある形で共存できる仕組みを目指しています。

たとえば:

  • ユーザーは情報をスムーズに得られる
  • サイト運営者はアクセス解析やコンバージョンを維持できる
  • サイトの情報が正確に引用・参照される

このように、NLWebは「AIが情報を使うなら、その出典としてWebサイトにちゃんと“光”が当たるようにしよう」という目的も持って設計されています。


NLWebが目指す未来:すべてのウェブサイトを「話せる」ようにする

これまで私たちがウェブサイトで情報を探すときは、検索窓にキーワードを入力したり、たくさんのページをクリックして回ったりしていましたよね。でも、「もっと簡単に、知りたいことを聞いたら答えてくれるウェブサイトがあればいいのに」と思ったことはありませんか?

NLWebは、まさにその「理想」を目指しています。

ウェブサイトと会話できる時代へ

NLWebは、どんなウェブサイトにも「話しかけて情報を得られる機能」をつけられるようにする技術です。たとえば、「この会社の電話番号は?」「今日の営業時間は?」「この商品、他に色はある?」といった質問を、チャット形式でそのまま聞くことができるようになります。

つまり、ウェブサイトが人と「会話できる窓口」に変わるということです。

難しい操作をなくすのが目的

NLWebが導入されると、サイト内を探し回る必要がなくなります。ボタンを押したりページをめくったりしなくても、「話しかけるだけ」で知りたい情報が手に入るようになります。

これにより、ネットが苦手な人や高齢の方、スマートフォンの操作に慣れていない人にも、使いやすいウェブが広がっていきます。

どんなサイトにも広がる可能性

NLWebは、観光地の紹介サイト、商品販売のネットショップ、大学の入試情報ページ、病院の予約案内など、あらゆるジャンルのサイトに使えるように作られています。

しかもオープンソース(無料で誰でも使える技術)なので、個人のホームページから大手企業のサイトまで幅広く活用が広がっています。

まとめ

NLWebが目指しているのは、「誰もが、どんなウェブサイトにも自然な言葉で話しかけられるようにすること」です。
パソコンやスマホの操作に詳しくなくても、聞きたいことをそのまま伝えればOK。
まるで人に聞くように、ウェブとつながる未来がすぐそこまで来ています。


NLWebはSHARE info との相性も良い考え方

SHARE infoでは、Q&AサイトFAQサイトとしての利用を想定してNLWebの考え方をすでに取り入れています。

  • 投稿内容やコメント内容をAIが自然に案内
  • 回答の元としてその投稿ページへリンク誘導

といった運営が可能になります。

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