応募や面接が不要で、すぐに働くことができるスキマバイトアプリは、2018年の「タイミー」の登場を皮切りに、2019年にパーソルグループが「シェアフル」をリリース、2024年にはメルカリも参入と急速に広がりを見せています。
それに伴って、その仕組みを不正利用した犯罪行為も増えています。
スキマバイトでの不正行為―どんなことが起きているの?
即日払いの仕組みを悪用した詐欺
2024年9月上旬、大阪で「給与即日払い」の仕組みを悪用した電子計算機使用詐欺容疑で逮捕者が出ました。
雇用主とワーカーが共謀して虚偽の労働報告をし、ワーカーが即日払いで給与を受け取った後、雇用主がアプリ提供事業者へ支払いをせずに、仲介業者が建て替えた給料を騙し取るという手法でした。
闇バイトの募集に使われる
最近「闇バイト」で募集された人が特殊詐欺や強盗などの犯罪に加担させられる事件が相次いでいます。スキマバイトアプリが犯罪の実行役を募集するためのツールとして使われているという指摘も出ています。
どっちが闇バイト?クイズ(東京都の特設サイト):かなり簡単なクイズに思えましたが、高校生のうち3問中3問正解したのはわずか4人に1人だそうです。
不正を防ぐために各社が実施している工夫
不正に対する警戒が高まる中、スキマバイトのアプリ提供事業者は対策を講じています。
タイミーの具体的な取り組み
- 対面での商談と公的書類の提出
営業担当者が直接利用者と対面で商談し、本人確認を強化。公的書類の提出を義務付けることで、虚偽情報での登録を防ぎます。これにより、信頼性の高い求人情報が提供される土台を築いています。
- 個人情報保護の新しい仕組み
緊急連絡先の電話番号を勤務直前まで非公開にするシステムを導入。これにより、不正な連絡や個人情報の悪用リスクを軽減し、働き手のプライバシーを守ります。
- メッセージ機能に通報機能を追加
アプリ内のメッセージ機能に通報機能を設置。不審なやり取りを感じたらすぐに通報できる仕組みにしました。
シェアフルの取り組み
- 求人掲載前の目視審査
求人情報を掲載する前に全ての内容を目視でチェック。不自然な表現やテンプレートの修正を確認し、不審な求人が流れるのを未然に防ぎます。これにより、利用者は安心して求人情報を閲覧できる環境を提供しています。
対策の限界とは?
各社が多くの工夫を重ねているとはいえ、完全に不正をゼロにするのは容易ではありません。以下の点がその理由です。
- 信用情報の限界
個人事業主は信用情報が少ないため、全てのリスクを見抜くことが難しい面があります。どれだけ慎重に調査しても、完全な安全を保証するのは困難です。
- 人的リソースとコストの壁
継続的な審査やパトロールは、人手とコストを多く必要とします。大量に掲載される求人情報に対して、目視で迅速にすべてをチェックするためには大変な人件費がかかります。
募集から採用、給与支払いまでの一連の流れをアプリで半自動化できるからこそ、コスト削減が可能な事業モデルなだけに、目視でのパトロールを増強して利益を出せるのかというのは大きな課題です。
- 変化する不正手口
新たな不正手口が次々に生まれる中で、既存の対策だけではカバーしきれない場合もあります。技術やシステム面だけでは防ぎきれない巧妙な詐欺も存在します。
最後に
スキマバイトの業界は、安心・安全な環境を提供するために日々進化しています。各社の努力とユーザーの協力が重なり合うことで、不正を減らし、信頼できるプラットフォームを作り上げることが可能になるのではないでしょうか。
これからスキマバイトを利用する皆さんも、不正に対する基本的な知識を持ち、安心して活用できるように心掛けましょう。
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