トラックボール

パソコンで作業を行う場合、画面上に表示される特定の欄に文字や記号を入力したり、特定のボタンをクリックしてプログラムを動かしたりといった動作がしばしば必要となります。

このような時は、画面に現れるカーソルやアイコンをそれぞれ適切な箇所に移動させますが、その移動にはキーボードの矢印キーを使うほかに、専用の機器を利用することもできます。このような目的で使用される機器のことを、ポインティングデバイスといいます。

ポインティングデバイスとして広く知られているものにはマウスがあり、楕円形の本体を手で動かすことでカーソルを移動させます。この他にも、ジョイスティック型やペン型など、さまざまなタイプのデバイスが存在します。ボール型のデバイスもあり、これはトラックボールと呼ばれています。

トラックボールは、筐体の中にボールが組み込まれ、それが上面に露出しているタイプのポインティングデバイスです。ボールを指先で転がすと、筐体内部にあるセンサーがボールの回転の向きや速度を感知し、その動きに合わせて画面上のカーソルが移動します。

球体なので、縦・横・斜めと自由な動きが可能になります。通常の製品ではボールの脇にボタンが付いており、これを押すことで入力項目の確定やボタンのクリックといった画面上の操作を行うことができます。

本体そのものを動かすマウスと異なり、トラックボールはボールをその場で転がすだけなので、固定した状態でも使うことが可能です。そのため、狭いスペース内で使用しやすいのが特徴です。

また、手の大きな動きを必要としないことから、身体に障害を持つ人でも指先の動きだけで扱えるというメリットもあります。

トラックボールは単体で製品化されているものの他に、パソコンと一体化しているものもあります。また、マウスとトラックボールを組み合わせた製品も市販されています。これは通常のマウスの横にボールが付いており、本体を動かしながら親指でボールを操作するというものです。