CtoC(個人間取引)のフリマアプリ「メルカリ」や、オークションサイトの「ヤフオク」のように、インターネットを通じた個人間の売買が増加しています。
面識のない個人間の取引の場合、代金を支払ったのに商品が送られてこない、商品を発送したのに代金が振り込まれないといったトラブルが起こりがちです。
個人同士でも安心して取引するために「エスクロー」を提供するサービスが増えています。
「エスクローサービス」では、売り手と買い手の代金のやりとりを事業者が仲介することにより、取引の安全性を担保します。
エスクローサービスを利用した代金授受の流れは次のようになります。
※ネットオークションの場合には、売り手=出品者、買い手=落札者となります。
このように、事業者が代金をいったん預かり、取引が問題なく完了したことを確認してから売り手に送金するのがエスクローサービスです。
シェアリングエコノミーの普及に伴い、個人間の様々な取引を仲介するプラットフォームをローンチする事業者が増えてきました。CtoCのマッチングサービスに、エスクローの導入はほぼ必須といってもよいでしょう。
しかし、代金の受け渡しを仲介するためには資金決済法の規制があります。
エスクローサービスでは、仲介事業者が取引の当事者の間に入って代金を預かったり送金したりします。この行為は「為替取引」に該当するため、かつては銀行などの金融機関以外行うことができませんでした。
しかしインターネットを介した個人間取引の増加に伴い、資金決済法は何度か改正されています。現在は、全国の財務局などに「資金移動業者」の登録をすれば、一般の事業者でも送金行為を行えるようになりました。ただし1回の送金で100万円までという制限があります。
資金移動業者への登録には、要件を満たす必要があります。最初に十分な資金を準備する必要があり、ベンチャー企業が登録するにはかなりハードルが高いといえます。 令和元年11月30日時点で、資金移動業者として登録されているのは全国で68社のみです。
なお、資金移動業者の登録を行わずにエスクローサービスの提供を行った場合には罰則があります。
これらの規制は緩和される方向で金融庁の検討が進んでいます。決済分野への新規参入を後押しすることが目的です。
CtoCのマッチングサービスで扱われるような数千円から数万円の少額の取引を扱う移動業者については、預かった資金の保全義務が撤廃される可能性もあります。
これは、新規参入を考える業者にとっては朗報ですが、消費者にとっては、資金が保全されないというリスクを負うことになります。例えば、取引の途中で代行業者が破綻した場合、預けた資金が戻ってこない可能性があるということです。
「決済代行」とは、商品代金を買い手から決済代行業者が預かり、商品の受け取りが確認できた時点で代金を売り手に渡す仕組みのことです。ここだけ見るとエスクローサービスと決済代行との違いは無いように思われます。
両者の大きな違いは、決済代行の場合、買い手が代行業者に代金支払いを終了した時点で、売り手と買い手との間の決済が完了している点にあります。
決済代行の場合、売り手から資金移動の依頼を受けるという形ではなく、売り手から代金の受領権限が与えられているという処理になるからです。
決済代行業者が代金を預かった時点で決済が完了しているので、資金移動業者とみなされることがありません。ですからエスクローサービスの場合のように資金移動業者の登録をする必要がありません。
エスクローサービスは、インターネットでの取引に欠かせないサービスとなっています。しかし、CtoC取引を提供する事業者がこのサービスを導入するためには、最新の法律をチェックして規約を整備することが重要です。
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