SLA

SLAとは、Service Level Agreementの略で、サービスを提供する事業者とユーザーの間で締結されるサービス品質保証契約を意味します。

主に通信サービスやクラウドサービス、レンタルサーバーといったITサービスの分野で用いられることが多く、提供サービスの定義や内容、範囲、稼働率などが記述されます。これらの内容は、上限や下限、平均などを数値で記載するのが基本で、同時に測定方法についても定められています。

また、SLAで定められた水準のサービスを下回った場合の対応や補償を定めることも多いです。補償に関しては、利用金額の減額などが行われますが、減額の上限は利用金額とすることが多く、サービスを適切に利用できなかったことに対する逸失利益は含まれないのが一般的です。

SLAを締結することは、事業者とユーザーの双方にメリットがあります。ITサービスの分野では、事業者とユーザーの間にサービス内容に関する誤解が生じやすいため、余計なトラブルに発展する恐れがあります。

しかし、サービス契約時にSLAを締結することで、サービス内容に関する曖昧さを取り除き、トラブル発生時の責任の所在を明確にすることが可能です。

その結果、事業者とユーザーがサービスについて共通の認識を持てるようになるため、ユーザーは期待通りのサービスを受けられますし、事業者側はユーザーからの余計なクレームを減らせるというメリットがあります。余計なトラブルのリスクを減らし、双方とも安心して契約できるようにするのがSLAの果たす役割となります。

また、ユーザー側から見た場合、サービス選定に活用できるというメリットがあります。SLAにはサービス内容に関する客観的な数値が記載されているため、事前にサービスの良し悪しを把握できますし、複数のサービスの比較に活かすことも可能です。

一方、事業者側から見ると、ユーザーに自社のサービスをアピールする材料にできるというメリットがあります。加えて、ユーザーから過剰な品質や補償を求められるリスクを回避することも可能です。