「自社のホームページをリニューアルすることになりました!」
「Web担当者に任命されました!」
そんなときに、つい最初に手を付けてしまいがちな3つのことがあります。
「Webのことなら少しはわかる」そんな方こそ陥りがちなこの3つ。
最初にこれらに手を付けてしまったが最後、Webリニューアルの道のりは苦しく険しいものとなります。
ほぼ100%の確率で社内の意見はまとまらず、暗礁に乗り上げるでしょう。場合によっては、リニューアルの企画そのものが立ち消えになる可能性もあります。
そうならない為に、「絶対ここから手を付けてはいけない!」ポイントを3つお伝えします。
ホームページの制作業者さんに連絡する前に、社内会議をセッティングする前に、とにかく今すぐチェックしてみてください。
例えば商品検索やカレンダー予約、ユーザー投稿機能、ブログなど…ホームページにはいろいろな機能があります。
要件定義とは、ホームページにどの機能をつけるかを決めることです。
「ホームページを作るのに、機能を考えるのは当然でしょう?」そんな声も聞こえてきます。
しかし、どんな機能をつけるかを最初に綿密に考えても、後で覆される可能性が高いのです。
特に、プログラミングが必要となる動的な機能は非常にコストがかかる部分です。機能を先に決めても、予算に見合わなければ全て白紙に戻るということになります。
機能は、最初に考えることではありません。
デザインというのは個人の感覚に左右されるものです。
デザインの話をいきなり持ち出しても、社内からはさまざまな意見がでます。「赤がいい」「青がいい」あるいは「デザインのことはよくわからない」。
誰の意見を尊重してよいかわからず、結論が出せないまま時間が過ぎていきます。
最初の企画会議でデザインの話題を持ち出すのは、あまり意味がありません。
また、先に見た目が決まってしまうと、メンバーのイメージが固まってしまい、新たなアイデアが出にくくなるというのも大きなデメリットです。
また、システムを無視したデザインを再現するために、必要以上のコストがかかってしまう可能性もあります。
デザインにどうしてもこだわらねばならない特別な理由がある場合は別として、最初にWebサイトの見た目に関する議論をするのは避けましょう。
ホームページに掲載する文章を作り始める。これも、やりがちなことです。
しかしこれは、家を建てるまえに家具を買ってしまうのと同じです。家具を買う前にまず間取りを考えるのが順序です。
文章を作る時間があるのでしたら、先にやるべきことがあります。最初にすべきことではありません。
例えば検索エンジン対策(SEO)は、専門の業者がいるほど奥深い知識です。
日々、対策は変わっていきます。ほんの数年前に有効だったSEO対策が、今は逆効果になるということは珍しくありません。諸刃の剣です。
それを理解しないまま、誤っているかもしれない知識を持って打合せを進めるのは、百害あって一利なしです。
例えば、
「とにかくリンクをたくさん貼ってもらうのがよい」
「メタタグのkeywordに入れたものが検索結果にひっかかる」
「タイトルタグにキーワードを入れると効果絶大!」
といった、今は特に効果がなかったり、逆にペナルティを受けるリスクがあったりする施策が、今もSEO対策として効果があると思っている方は案外多いのです。
インターネットで最新のSEO対策について勉強する時間が取れそうでしたら、それもよいと思います。ただ、無料で得られる情報は相応の価値しかありません。
検索エンジン対策については、早い段階でWeb制作会社など、SEOの知見のある専門家にアドバイスをもらうのが得策です。
上に述べてきたことはいずれも、のちに制作の足かせになったり(=コスト増につながります)、結局一旦白紙にして考え直さなくてはならなくなったりすることばかりです。
そのデメリットは計り知れません。
時間の無駄になるばかりでなく「一番最初に、本当に考えなければならないこと」に目を向けられないというのが根本的な大問題です。
最初にしっかりと「あること」を固め、その次に予算が決まることで、自然とデザインが決まり、システム要件が決まっていきます。
では最初にやらなければならないこととは何なのでしょうか。
企業Webサイトの制作では、制作そのものと同じくらいに、社内での意見のすり合わせに時間がかかります。
Web制作の期間を延ばす最大のネックは、「社内意見の調整」と言っても過言ではありません。
せっかくチーム内で合意が取れたと思っても、上司からのダメ出しでまた逆戻り…。
制作会社に依頼して、指示通り作り進んでもらった後で、社内の意見でやり直しを依頼するとなると、追加費用もかかってしまいます。
例えば家を建てるとなった時に、必要なことはなんでしょう。
「誰が何に使うか」 、つまり家を建てる「目的」です。
高齢者が住居用に使うのでしょうか、若い夫婦が店舗を兼ねて使うのでしょうか。
それによって作り方や機能、外観まで全て変わってきます。逆に、誰がどのように使うかを決めないことには、間取りも何も決められないのです。
家を建てる場合に、誰が住むか決まっていないということは少ないかもしれません。
けれど、Webサイトの場合は、「何のために作るのか」「誰がどのように使うのか」をはっきり決めずに作ることが少なくありません。
なぜでしょうか。
Webサイトをお客様のために作るという意識がないからです。
結局、Webサイトの企画にあたって最初にすべきは、誰に対してどう使ってほしいのかという「ターゲットと目的を決めること」です。
最初にこれを押さえていれば、社内の意見も格段にまとめやすくなります。そして、場合によっては制作期間を半分にもできるのです。
次回はもう少し具体的にご説明します。
もしあなたが、すでに述べた3つから手を付けようとしていた場合(または既に手を付けてしまっていた場合)、今すぐにマインドセットを変えていただく必要があります。
どのようなマインドでWebの企画に取り組めばよいのかを知るために、コンサルタントに相談するのも大変お勧めです。