TouchIDは、一部のスマートフォンやタブレットに搭載されている指紋認証機能で、主な用途は端末のロック解除ですが、音楽・動画・ゲームなどの配信サービスで決済する際の認証やアプリのサインインにも使われています。
これらの情報端末には持ち主の生活に必要な情報の多くが入っているため、他人に盗まれないための対策が必要です。すでに、機器のロックを解除する際にパスコードを入力する方法が普及していますが、ユーザーによっては入力が面倒なために設定を外してしまう場合があります。
これに対して、TouchIDの指紋認証は指を触れるだけでセキュリティを解除出来るため、多くの人が利用しやすいといえるでしょう。さらに、指紋認証を5回連続で失敗するとパスコードを入力するように促されるため、間接的にパスコードの入力を設定する事にもなり、利用者全体のセキュリティの向上が望めます。
また、人の指紋は持ち主ごとによって異なり、類似した物が存在する事はごくまれで、登録される指紋1つにつき5万分の1というとても低い確率です。その上、パスコードだと1234や7777などのセキュリティを破られやすいパターンを設定してしまう場合がありますが、指紋情報は複雑なので誰でも簡単に高いセキュリティを保てます。
さらに、ユーザーが設定した指紋情報は機器のチップにある安全な領域に保存されるため、OSやアプリなどの機器内部からのアクセスを阻むだけでなく、クラウドサービスなどの外部からの侵入を防ぐ事でセキュリティを高めています
。また、指紋データは画像ではなく数学的表現で保存されるため、このデータから実際の指紋画像を逆行分析して入手する事は不可能です。
なお、指紋は5つまで登録出来るため、片手にある5本の指を指定したり、両手それぞれの人差し指と親指の合計4つを登録出来る上に、複数人の指紋を登録する事も可能なので、ユーザーの使い方に対して柔軟に合わせられます。