ビジネスメールで使われるインラインとは、返信時に相手から送られた文章をほとんど引用して、その答えを少しずつ引用文の間に挟んでいくことを指します。
例えば1つのメールの中に沢山の質問や説明しなければならない文言が含まれていた場合は、乱雑に書き連ねるよりもインライン形式で返信した方が圧倒的に見やすいのです。一問一答式のようなメールに仕上がるため、その返信がどの文章に対するものなのか、それを明確にするためにも有効な書式となります。
しかし相手の文章をそのまま引用するのは、マナーとして良くないという声もあるでしょう。互いの関係性にもよりますが、相手の価値観次第ではトラブルになるかもしれません。
一方で送られた文章までリライトをして1つ1つ書いていくと、とてもではないですが時間も労力も掛かり過ぎるのです。そこで円滑で見やすいやり取りをしながらも相手に不快感を与えない方法として、「インラインで失礼します。」という挨拶言葉が誕生しました。
もちろん、必ず入れなければならないわけではありません。これを入れても言葉遣いのミスや誤字脱字が多いと、そちらの方が相手に不快感を与えてしまう可能性は高いです。
加えて引用をするとその分で全文のボリュームが膨らんでしまうため、極力不要な引用に関しては避けなければなりません。挨拶言葉に気を取られて肝心の本分が疎かにならないよう、気を付けておく必要があります。
それから「>」の記号を引用部分の頭に付け、返信文との見分けをしやすくするよう心掛けておきましょう。これはビジネスシーンだけではないでしょうが、改行を上手に使い行間も程好く空けておくのが望ましいです。
結局のところマナーとは相手のことを考えたものですから、挨拶言葉を含めて総合的な範囲で気を配ってください。インラインを上手に使えるようになると、ビジネスメールの送受信が円滑になり、自分への評価が上がるきっかけにもなるかもしれません。