「クラウド」という言葉、聞いたことがあるけれど、具体的に何を指しているのか分からない…」という方も多いのではないでしょうか。本記事では、クラウドの基本概念からそのメリット・デメリットまでをわかりやすく解説します。
クラウドとは、インターネットを通じて別の場所にあるコンピューター(サーバーや記憶装置)を利用する仕組みを指します。具体的には、インターネットを通じて提供されるソフトウェアやシステムなどのサービスを「クラウドサービス」と呼びます。
この「クラウド」という言葉は、かつてインターネットを表現する図に雲の絵がよく使われたことに由来しています。物理的な形が見えないインターネットの向こうに存在するサーバーやサービスを雲に例えたのです。
クラウドとよく比較されるのが「オンプレミス」という言葉です。これは、自宅や会社内にあるコンピューターに直接ソフトウェアやシステムをインストールして利用する方法を指します。例えば、Microsoft Officeをパソコンにインストールして使うのはオンプレミスの一例です。
一方、クラウドではソフトウェアやシステムがインターネット上にあるため、手元のパソコンにインストールする必要がありません。必要なのはインターネット接続とブラウザだけです。
クラウドサービスは、アカウントを作成するだけで使い始められるものがほとんどです。面倒なインストール作業や、パソコンの設定を変更する必要はありません。
利用するサービスや容量に応じてプランを選べるのがクラウドの魅力です。小規模ビジネスでは低価格プランから始め、事業拡大に合わせて上位プランにアップグレードすることも可能です。
システムの更新やセキュリティ対策などはクラウドサービス提供会社が行います。そのため、利用者が管理作業をする必要がありません。
一方で、クラウドには以下のような注意点があります。
クラウドに保存されたデータは、サービス提供会社が管理しています。サービス提供会社が不具合を起こしたり、情報が流出したりするリスクはゼロではありません。
クラウドはインターネットを通じて利用するため、ネット環境が悪い場所では使い勝手が低下します。
クラウドサービスには、大きく分けて以下の3種類があります。
「Software as a Service」の略で、ソフトウェアをインターネット経由で提供するサービスです。例えば、Google WorkspaceやMicrosoft 365がこれに該当します。ユーザーはソフトウェアを購入する必要がなく、利用料を支払うだけで機能を使えます。
「Platform as a Service」の略で、アプリケーションを開発・運用するための環境を提供するサービスです。例えば、Google Cloud Platformの開発環境などがこれに該当します。
「Infrastructure as a Service」の略で、サーバーやネットワークなど、ITインフラをインターネット上で提供するサービスです。Amazon Web Services(AWS)がその代表例です。主に技術者や企業が利用します。
Googleが提供するメールサービスで、メールデータはすべてGoogleのサーバーに保存されます。どのデバイスからでもアクセス可能で、クラウドサービスの代表的な例です。
Appleが提供するクラウドサービスです。写真や動画、バックアップデータなどを保存し、複数のAppleデバイス間で共有できます。
メモやドキュメントをクラウドに保存するサービスです。保存したデータは、異なるデバイスからでもアクセスできるため、仕事の効率化に役立ちます。
投稿型サイトや独自コミュニティサイトを簡単に開設して運営できるサービスです。サイトのデータはクラウド上に保存されます。
クラウドサービスを利用する際には、セキュリティ面のリスクも考慮する必要があります。特に、機密性の高いデータや個人情報をクラウド上に保存する場合は、以下の点に注意しましょう。
企業の場合は、クラウドの利用に関するガイドラインやルールを設けることも重要です。
クラウドは、インターネットを通じて便利にサービスを利用できる仕組みです。その手軽さや柔軟性は非常に魅力的ですが、セキュリティ面での注意も必要です。クラウドサービスの活用を検討する際には、メリットとデメリットをしっかりと理解した上で、自分に合った使い方を見つけましょう。
クラウドを上手に活用することで、日々の生活や仕事がより快適で効率的になるはずです。