Google アナリティクスを利用する目的は、Webサイトの改善を行うことです。
そのためにはアクセス解析の用語をしっかり理解することから始めることが基本です。今回は、Googleアナリティクスで用いられる用語について詳しく解説します。
Googleアナリティクスにおけるユーザーとは、一人のユーザーではなくユニークブラウザーのことを意味します。そのため、一人のユーザーがPCとスマートフォンでサイトを訪問した場合は2ユーザーとなる点に注意してください。
また、ユーザータイプにはNew VisitorとReturning Visitorがあります。
New Visitorは過去2年以内にサイトを訪れたことのないユーザーが、レポート期間にサイトを訪れた際のセッション数を指します。Returning Visitorは過去2年以内にサイトを訪れたことのあるユーザーが、レポート期間中にサイトを訪れた際のセッション数を指します。
ページビューはサイト訪問の際にページが表示された延べ回数のことです。例えばトップページから記事のページに移った場合は計2ページとなります。
セッション数は、Webサイトのページ表示をはじめとしたユーザーの行動における一連の操作を指します。
例えば、
などの操作がそれに当たります。
ページ/セッションは1セッション中に見られたページビューの平均値となります。
例えばセッション1で2ページ、セッション2で4ページあった場合には合計6ページビューとなり、ページ/セッションは(2+4)÷2=3となります。
セッション時間はセッションの開始と終了のタイムスタンプの差として計算され、ユーザーのサイトに対する興味と利用度を表します。
平均ページ滞在時間は特定のページが表示された時刻とセッション中の別のページが表示された時刻の差のことです。例えばセッション1でページAに10分、セッション2でページAに20分滞在した場合の平均滞在時間は(10分+20分)÷2=15分となります。
直帰とは1セッションにつき1ページしかビューがない状態を指します。直帰率は直帰数を全体のセッション数で割った数値をパーセントで表します。
例えば、キーワードによるオーガニック検索や広告をクリックするなどにより、あるサイトに訪問をした人がいるとします。訪問先が自分のイメージと違うサイトだった場合、それ以上滞在することも他のページに遷移することもなく、そのサイトを離れてしまうでしょう。もしこの直帰率が著しく高い場合、サイト運営者は早急にランディングページの改善が求められます。例えばキーワードや広告のイメージに沿うようなレイアウトやデザイン、内容の修正が必要です。そして次のページに移りたくなるような構成にするなどの施策も必要でしょう。
離脱とは文字通り、サイトを訪れた人がそれ以上サイトの閲覧をやめることです。離脱率はそのページで離脱した数を、そのページのページビュー数で割った数値をパーセントで表します。
例えばセッション1でページA→ページB→ページC(離脱)、セッション2でページC→ページB→ページA(離脱)であった場合、ページCの離脱率は1離脱÷2PV=0.5となり、離脱率は50%となります。
Googleアナリティクスの活用においてコンバージョン(成約率)は最も重要な指標となります。
まずコンバージョン率についてはコンバージョン数÷セッション数で計算されます。あくまでもその母数はセッション数であり、ユーザーやページビューではない点、また1つのセッションにおいて1つの目標に対するコンバージョンは1回のみのカウントとなる点に注意しましょう。
また、いくつかの施策を行った場合、コンバージョン率が高いからといって必ずしもその施策の効果が高いとは言い切れない点にも注意が必要です。
例えば広告Aと広告Bにおいて広告Aのコンバージョン率が20%、広告Bのコンバージョン率が10%で収益がどちらも10万円だったとしましょう。ここまでは当然コンバージョン率の高い広告Aの方が有効であると考えられますが、さらに広告Aのセッション数が1000で広告Bのセッション数が500だった場合では1回のセッション数あたりの収益は広告Aが100円、広告Bが200円となり広告Bの施策の方が効率的ということになります。1回のセッションあたりの価値はセッションごとの収益額とも言い換えることができ、ECサイトにおいて最も重要視されます。
ディメンションとはGoogleアナリティクスのレポートの一番左側の列に記載されているセグメントの切り口のことです。それ以外の列は実数やパーセンテージで表される指標となりその切り口によるパフォーマンス値とも言われます。また、ディメンションにはセカンダリディメンションというメニューがあり、ディメンションに続いてさらに追加できるもう一つのセグメントの切り口となります。
そのほか、デフォルトで設定されているディメンション以外にもさらにユーザーが独自のディメンションを定義してセグメントの切り口にすることもできます。この追加的なディメンションのことをカスタムディメンションと呼びます。このカスタムディメンションは1つのプロパティごとに最大20個まで作成することができ、作成した順番に20個までのインデックスが付与されます。
カスタムディメンションにデータを反映させるためにはトラッキングコードのカスタマイズを行うか、タグマネージャーによる設定を行います。このインデックスを指定することでどのカスタムディメンションにデータを格納するかが決定されます。また作成時には「スコープ(範囲)」と呼ばれる性質を選択できます。以下にスコープの種類を以下に記載します。
例えば化粧品のページが閲覧された時に、「男性用化粧品」「女性用化粧品」と分けて格納しておくことでそれぞれのPVを分けて確認できる。
<セッション>
セッション数をログインセッションに置き換えることで同一ユーザーがログインした時に重複されないようにできる。
ユーザーごとに属性分けすることで(例えばノーマル会員とプレミアム会員など)そのユーザーごとに確認ができる。
チャネルとはユーザーの訪問経路のこと、トラフィックとも言われ、アナリティクスにおいて最も重要な分析要素となります。チャネルにはデフォルトでいくつかのチャネルが設定されておりますので、以下に記載します。
サイトのアドレスを直接入力して訪問、もしくはブックマークやアプリからの訪問のこと
キーワードによる自然検索による訪問のこと
SNSからの訪問のこと
Eメールからの訪問のこと
アフィリエイトからの訪問のこと
参照元サイトからの訪問のこと
リスティング広告(ヤフー、Googleなど)からの訪問のこと
ディスプレイ広告(ヤフー、Googleなど)からの訪問のこと
リスティング広告、ディスプレイ広告以外からの訪問のこと
以上、今回はGoogleアナリティクスタグを設定した前提で、Google アナリティクスでのアクセス解析の簡単な読み方についてご説明いたしました。まずはこれらの用語などをしっかり理解した上で、Google アナリティクス機能の活用につなげていきましょう。