ROMとは「ReadOnlyMemory」の略で、書き込みができない読み出し専用のメモリを指します。音楽CDを想像すれば容易ですが、音楽の再生はできるものの録音はできません。
つまり上から新たに書き換えをすることは不可能で、読み込みや再生をすることだけに特化した記憶領域と思っていればいいでしょう。
ただ日本では携帯電話やタブレット端末を中心に、このROMがやや誤った形で浸透してしまっています。具体的には16GBや64GBといった風に、アプリや写真などを保存しておける容量の目安として使われています。
この影響で解釈の混同が行われ、本来の意味でこの言葉を使用しても間違っていると指摘されることもしばしばです。
ただ前述のようにROMはデータの書き込みができないのが特徴なので、アプリや写真を保存できてしまうと矛盾することになります。そのため携帯電話やタブレット端末の世界では、本来の意味とは違ってもそれが俗称なのだと思っておいた方がいいでしょう。
ちなみにメモリの種類には、ROMとは別にRAMと呼ばれるものがあります。これはCPUが一度にどこまでの処理を同時に行えるかを示しており、RAMの数字が大きいほど負荷の掛かる作業でもサクサクこなせるようになります。何かを記憶しておくというよりは、一時的にデータを置いておける場所として捉えてください。
またストレージというメモリもありますが、こちらはハードディスクを代表としたデータを保管するための装置を指します。ROMとの違いはデータの書き込みが可能なことで、レコーダーのように何度も保存したり削除したりすることができます。ややこしく聞こえますが、正しい特徴を把握しておけばそこまで区別に苦労はしません。
ROMは、メモリの中でも最も混乱しやすいものです。身近な携帯電話やタブレット端末で違った使い方がされているので、恐らく本当の意味を知らない人も多いでしょう。いざというときのために、今の内から改めてその意味を覚えておいてください。