クレジットカードや身分証明証、各種ポイントカードなど、現代人の身の回りにはたくさんのプラスチックカードが出回っています。これらのカードには表面に文字や写真などが掲載されていますが、さらに多くの情報を目には見えない形で収録することができます。
それらの情報は、以前は磁気によって記録されていましたが、近年ではICチップに記録する方式が主流になっています。このようなタイプのカードを、ICカードといいます。
ICカードにはさまざまな種類がありますが、代表的なものとしてはクレジットカードや金融機関が発行するキャッシュカードなどがあります。これらのカードにはICチップ内に個人情報が埋め込まれており、端末を通じて口座情報と照合することで、買い物や預金の出し入れなどができるようになります。
使える場所としてはデパートやスーパーなどの店頭、金融機関のATMなどがありますが、近年では街中の自動販売機にもカード決済に対応しているものがあります。また、コンビニエンスストアではレジでの支払いと店内ATMの両方で使えるというのがスタンダードになっています。
身分証明用のICカードとしては、運転免許証がおなじみです。わが国では平成19年から運転免許証のICカード化が進められ、本籍地などの個人情報は表面に記載せず、ICチップ内にのみ記録する方式に改められました。
一方、民間企業などにおいてはタイムカード機能や開施錠機能を付加する目的で、社員証のICカード化を進める動きが見られます。こちらは、オフィスや会議室、倉庫などの出入り口が使える場所となります。
なお、ICカードは情報の読み取り方式によっても2種類に分けることができます。接触型と非接触型がこれに当たり、前者は専用のリーダーにカードを挿入し、ICチップの表面から情報を読み取ります。
これに対して、後者では電磁誘導の原理を利用して読み取り装置の発する磁界内にカードをかざすことで通信が行われます。接触型はスーパーのレジなどで、非接触型は駅の改札口などでよく使われています。