10GBASE-Tとは、10Gbpsの通信が可能な10Gigabit Ethernetの規格の中で、金属製の通信線に電気信号を流すメタルケーブルを使用した規格で、カテゴリー6のケーブルであれば最長55メートル、その上のカテゴリー6A及び7のケーブルであれば最長100メートルまでの距離でデータ通信が可能です。
データ通信で最も広く普及しているLANにおいて現在主流の規格で、従来の1000BASE-Tの10倍の速度を持っていることが特徴です。
既に規格としては以前から存在していたものの、導入に必要なコストが非常に高価だったことがネックでユーザー数も限られていましたが、一般的なLANケーブルと同じRJ45端子に対応した規格の製品が登場し導入しやすい価格帯となったため一気に普及しました。
10GBASE-Tを導入するメリットは、パソコンとNASなどのファイルサーバー間でのデータ転送を高速化できることです。
近年著しく進んだプログラミングの多様化や、周辺機器の高性能化に伴った4K動画編集や高解像度のデータ加工などのさまざまなコンテンツ作成において大容量データのやりとりが必須となっていますが、従来の10倍の速度を実現した10GBAST-Tを利用することによって転送時間の短縮に繋がるため、作業効率を飛躍的にアップさせることが可能となっています。
10GBASE-Tを導入するためには、クライアント側とサーバー双方に10GBASE-Tに対応したLANカードが必要なこととで、複数台のパソコンを繋ぐ場合には対応するスイッチングハブも必要です。
使用するパソコンのCPUやメモリは標準的なものを装備しているタイプであれば問題ありませんが、HDDやSSDなどのストレージ関連は高速なものを使用することでより高速度を実感することができます。
これらの必要機器類についても取り扱うメーカーが増加し、価格も下がった上に種類も増えてきていることから、今後ますます導入する企業が増えると予想されています。