2019年度のIT導入補助金は、補助対象となるITツールや対象となる事業者が前年とは変わりそうです。
2019年に補助対象となるITツールはのキーワードは「RPA」。
昨年(2018年度)IT導入支援補助金を利用した事業者の業種のトップ3は、卸売業・小売業、建設業、専門技術サービス業でした。
従業員数でみると、50人未満の事業者が9割以上、その中でも5人未満の事業者が半数を占めています。
卸売業・小売業を営む小規模事業者の申請が多くを占めたことが伺われます。
2018年度は、上限額が50万円ということで、50人以上の規模の事業者が導入するシステムを購入するには、額が小さかったといえるでしょう。
一方、今年の補助上限額は昨年の9倍で450万円。下限額も80万円となりました。
補助割合は2分の1ですから、半額は自腹で支払う必要があります。それだけのメリットを持ったシステムでないといけないわけです。
そうなると、昨年度とは申請する事業者の事業規模や業種も異なってくると思われます。
また、昨年とは補助対象となる登録ツールも変わります。昨年は補助対象となったツールが、今年は対象外となる可能性は十分にあります。
今年補助対象となる登録ツールのキーワードはRPA(Robotic Process Automation)。
人がオフィスで行ってきたパソコン上での定型業務や単純作業を、ソフトウェアが代行するというものです。
月次の集計作業など、定期的に発生する作業を自動化してロボットに代行させることで、人が行うよりミスも少なく、かつ短時間で処理できます。
「第四次産業革命」と言われていますが、「こんな作業、ロボットに任せたらいいのに…」と思っていたような単純な入力作業や集計、コピー&ペーストを、本当にロボットに任せる流れがいよいよ到来したのです。
「定型業務を記録させて、ボタン一つで実行できるようにする」つまりExcelのマクロ機能のようなイメージです。
ただ、Excelのマクロ機能を構築するには、VBAでのプログラミングが必要になります。エンジニアではないホワイトカラーの従業員で、Excelのマクロを記述できる人材は多くはありません。
「少し修正をしたい」と思っても、マクロを組んだ人が異動や退職をしていると、もう誰も触れないという事態になります。
そんな中、ノンプログラマ―でも自動化のルール設定ができるようなRPAツールが出てきました。
しかし、いくらコストが削減できるといっても、RPAツールの導入に莫大な費用が掛かってしまっては、元が取れません。
また、操作を習得するのに時間がかかる場合も、ぎりぎりの人員配置で回している場合には導入をためらうことになります。
導入当初は、今までの作業と、新しいツールの操作とをダブルで処理する時期が発生し、その時期の業務負荷を思うと、ツールを取り入れることに躊躇してしまう可能性があります。
その点を考えると、導入する事業者も、人員的に余力が少ない傾向にある50人以下の小規模事業者よりは、50名以上の規模の中小企業が対象となってくるのではないかと思います。
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