クレイグズリストはインターネット上にあるWebサイトで、英語表記は、「Craigslist」。WikiペディアによるとURLは、https://craigslist.org となっていますが、アクセスすると https://osaka.craigslist.org/ に飛ばされました。おそらく、最寄りの地域のページが自動的に表示されるのでしょう。
クラシファイドサイトと分類される種類のサイトで、1990年代半ばから運営されているようです。インターネットが普及しだした頃からの存在という事で、老舗と言えるのではないでしょうか。
サイトを見てまず感じるインパクトが、「昭和か?」という雰囲気です。実際は昭和が終わってからクレイグズリストが誕生していますが。昭和の最後は1989年、日本ではニフティーなどのパソコン通信が使われていて、1991年にWWW(ホームページ)がデビューしたとされているようです。
で、クレイグズリストの話に戻りますと、サンフランシスコに住むクレイグさんが、自分や地元の情報をリストアップして、誕生間もないWebサイトというモノに掲載したのが始まりらしいです。
ここからは筆者の空想が入った話ですが、インターネットの中にあるホームページという目新しい仕組みを使って地元情報が得られるクレイグさんのリストは、新しい物好きが沢山住んでいるアメリカの西海岸で超評判になって、「空き家あんだけど、誰か借りんか?」とか、「お店手伝ってくれるアルバイト探してんだけどさ、誰か来てくんない?」とか「オラのトラクターがぶっ壊れたで、だれぞ貸してくねーべか」などと気軽な情報交換が活発に行われたんじゃないでしょうか。
で、クレイグさんもついつい嬉しくなって、みんなから頼まれた情報を掲載してあげたりしているうちに、他の州とか、他の国まで利用者が広まってしまったというわけ。インターネットだから、距離は関係ないし便利ならみんな使いたいですよね。ネット上のコンテンツも今のように沢山はなかっただろうし。
今でも、ものすごい数の広告が掲載されていて、生活や地域に密着した情報が活発にやりとりされているみたいです。でも、クレイグさんはホームページがどんどん派手になって写真や絵などを豊富に使った凝ったモノになってきても、全然そういう事しなかったんだ。だって、十分役にたっているし、かっこよくなったところでより役に立つわけでもないからねっ、と考えたのかもしれません。あるいは、特に何も考えず最初のままなのか・・
とにかく世界的には滅茶苦茶役に立っているサイトなのに、この簡素さ。禅ですか?しかしですね、この文字主体で行う情報交換、パソコン通信の掲示板のようなサイトにこそ、インターネットを応用した情報流通のうま味がぎっしりと詰まっていると感じるのです。そう、禅の中に出汁がぎゅっと濃縮されているようなサイトなのです。
まず、巨大で活発なコミュニティーサイトともなれば、管理、維持、運営に関するコストが莫大になります。そのうえに装飾まで凝りだすとサイトの維持にかかる費用は桁違いにアップするかもしれません。そう、簡素・シンプルを維持する事でサイト利用者は低コストで利便性が得られるのです。スマホだろうがPCだろうが関係ないぜと言わんばかりの簡素な画面構成は、まさに創世記から生き抜いてきた最古の生物の佇まい。そして、文字主体の情報交換としている事で、コンピューターによる検索性が高く、情報を保存する容量や通信速度まで低コストになります。クレイグズリストには画像も投稿できますが、それは投稿者が物品の外観などを伝えるためであり、サイトを装飾するためではないのです。
このような「何でも掲示板」的なサイトとして、Backpage.Com というメジャーなサイトも存在したようですが、アダルト関連か何かの問題で差し押さえられているようでした。どこの国でも「出会い系」で問題が発生する事が多いのでしょう。
クレイグズリストに話を戻しますと、こんな質実剛健でまるでスーパーカブのようなサイトですが、日本では全然流行りませんね。実際、大阪版のクレイグズリストを見ても英語の投稿が入っていますが、日本人が活発に利用している雰囲気はありません。似たような仕組みのサイト「ジモティー」はTVでCMを流すほどのサイトになっているのですが。日本人は過剰包装が好きっぽいので、まったく飾り気がなければ使わないのでしょうかね。でも 2ちゃんねる (5ちゃんねる)とかは活発に使われているし、禅も日本っぽいんだけどれど。何故クレイグズリストが日本で知名度が低いのかかわかりませんな。
さて皆様、「クレイグズリストとは何か?」という問いには答えていないような気もしますが、紙面の都合(?)でこのあたりでまとめたいと思います。クレイグズリストは超シンプルな何でも掲示板。見ればわかる。https://craigslist.org にアクセスしてちょ。あまりにシンプルなのですぐには「味わい」がわからないかもしれないけど、禅ですよ、ZEN。しぶいんだよ。会社とかで「俺っち、クレイグズリストでこのアイテムをゲットしたんだけどさ~」的な話でもすれば、羨望のまなざしを集めるに決まっています。